東京大学准教授 松尾豊氏による人工知能、AIの入門書です。
人工知能の開発におけるこれまでの流れ、人工知能で使われているテクノロジーや数学知識などが簡潔に解説されており、仕事でとりあえずAIとか機械学習とかディープラーニングとかで何かやってみろと言われた場合に、それぞれがどんなものなのかを理解するために読むのにはちょうど良い内容だと感じました。2015年出版ですが、2019年3月現在、基礎を学ぶための良い書籍であることは変わりないと思います。(実用例等の最新情報はネット等にあると思いますが。)
無論これだけでは仕事で使えるレベルには到達しないと思うのでもう少し数学的な内容や、技術的な内容に踏み込んだ本で知識を深めていく必要があります。
AIとか機械学習、ディープラーニング等、初心者には中身がとらえにくいワードについて、この本を読んだ自分なりの理解を書き留めておこうと思います。
AI=人工知能
人工知能の定義って何だろうか。巷ではAIや人工知能を利用したり、搭載した製品が出てきているがこの本では出版された2015年当時、人工知能はまだできていないと断言しています。
多くの人工知能研究の権威がそれぞれの定義を持っており、一概にこれができたら人工知能!と言えるものはないということを私はこの本から学びました。この本では一般的に使われている人工知能という言葉をレベル分けして整理してくれています(以下参照)。
1.単純な制御プログラム(を人工知能と称している)
2.古典的な人工知能
膨大なパターンを推論や探索や知識ベースで解くプログラムのこと。
3.機械学習を取り入れた人工知能
4.ディープラーニングを取り入れた人工知能
機械学習とディープラーニングについては後述。
結局、人工知能が何という定義はそれぞれあり、大なり小なり様々で特に仕事で使う場合はどのレベルの話をしているの?とか、どんな技術(アルゴリズムetc)が使われているの?とかその辺のレベルを合わせないいと、話がどんどんずれてきてしまうのではないですかね。気をつけましょう。
自分の周りでもAIというキーワードは聞きますが結局何ができるのか、どんなレベルの話をしているのかまで行かないことも多いです。
自分なりに人工知能の定義をするのであれば、人工的に作られた自らの意思・意志を示すプログラム、といったところでしょうか。
もはやSFの世界です。もう少しいうと、今の実用的なAIは将棋で人間に勝てるプログラム、という理解ですが、プログラムが人間を目の前に今回も勝てるけど今回は相手の面子を保つためにギリギリで負けようと勝手に意思を持って負けるみたいな話になったら本当の人間みたいで人工知能っぽいなという話です。まぁ私見なので適当に読み流してください。
機械学習とディープラーニング
この二つの言葉は自分もつい最近まできちんと説明できるほどは理解できていなかったと思います。
<機械学習>
プログラム自身が学習する仕組みのこと。学習するとはイエスorノーを判断する(分ける・分類する)ということ。機械学習には教師あり学習と教師なし学習があり、以下の違いがあります。
- 教師あり学習=入力と正しい出力(分け方)がセットになった訓練データを用意して、ある入力に対して正しい出力(分け方)ができるような学習。
- 教師なし学習=入力用データのみを与え、データに内在する構造を掴むために用いられる学習。
<ディープラーニング>
データを元にプログラムが自ら特徴量を作り出す仕組みのこと。多層のニューラルネットワークで実現される(機械学習のニューラルネットワークは3層)。機械学習の一部。
特徴量とは機械学習の入力に使う変数のことで、対象の特徴を定量的に表したものであるが、機械学習ではこの特徴量設計を人間がやらなければならず、この特徴量設計が予測精度(結果)に大きな影響を及ぼします。これが機械学習の難問であったと。
ここに一つの解を提示したのがディープラーニング。ディープラーニングが機械学習と異なる点として、多層のニューラルネットワークを1階層ずつ階層ごとに学習していく点と自己符号化器(オートエンコーダ)を用いる点が挙げられているが、この辺の詳細に踏み込むと自分でももう少し頭の整理が必要なので今回はこの辺にしておきたいと思います。
機械学習とディープラーニングの違いをまず理解するという点では上記の内容がぼんやりとわかっておけば良いのではないかと思いました。とはいえ、まだディープラーニングや機械学習の表面を触ったぐらいの感じなので今後もしっかりと勉強していきたいと思います。
まとめ
今回は「人工知能は人間を超えるか」から人工知能と機械学習、ディープラーニングといったキーワードにフォーカスを当て、学んだことを自分なりに記載してみましたが、人工知能の世界はまだまだ奥深く(ある意味当たり前)、ビジネス利用でも様々な可能性が秘められているということだと思います。近年ディープラーニングに見る技術的な飛躍があったことにより、研究が加速していく+それらの技術が実用段階に入ってきているということで、技術目線での学習だけでなく、ビジネス目線で見ていくことが求められているのだなと感じました。
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