「遅読家のための読書術」を読んだ。

REVIEW

このところCOVID-19の影響もだいぶなくなったとはいえ、まだ家で過ごすようにしている人も多いと思います。自分も圧倒的に家にいることが増え、それに伴い、本を読むペースが以前より早くなりました。とは言え、読みたい本はたくさんあるものの、自分は本を読むスピードはそこまで早くはない。。。せっかくのチャンスなので本を読むスピードを上げたいと思い、この本を電子書籍で購入しました。

購入の決め手はいくつかのサイトでレビューを見たところ、速読術ではない読書術が書かれている、読書についての考え方が変わる、というポジティブなレビューが散見されたことです。

実際に読んでみて、今までの自分が持っていない読書に対する考え方、テクニックが記載されており、今後の読書がとても楽になる内容でした。

テクニックについても触れられていますが、読書に対するマインドセットを変える本、というのがこの本の特長だと思います。

フローリーディング

フローリーディングとはこの本の著者が提唱する、音楽を聴くように本を読む、という考え方です。本を読むのが遅い人は熟読しなければならないと思い込んでいる、熟読しないといけないという思い込みを捨てることが必要だと著者は主張しています。実際に読んでも忘れていることの方が多いから、1%でも残っていればそれでいい。この1冊を手に取ったのは価値ある1行に出会うため。このように読書に対する考え方を変えるだけで今まで構えてしまっていた読書を音楽を聴くように本を読む読書に変えることができるということを読者に教え、考えさせてくれます。

記憶する読書より記録する読書

価値のある1行を探しながら読むようにするのが良い。読書に対するネガティブな感情がかき消され、読書が冒険になる、というなかなか今までに出会ったことのない表現が出てきます。そんな価値ある1行に会えたらどうするか。その1行を書き留め、何でその1行に価値を感じたか、一緒に理由も書き留めておきましょう。

今までも読書の際はメモを取っていましたが、気に入った点を記録する程度で、なぜそこが気になったかまでは書き留めていませんでした。理由を記載しておくのは後からメモを振り返ったときに過去の自分の考えも振り返ることができるので良いと思います。価値ある1行をしばらくしてから振り返るとその本を読んだ時の自分とはまた違った価値や感想を持っていることに気づくことができるかもしれません。まだそのような使い方はできていませんが、そんな期待をしつつ、これを継続していこうと思っています。

速く読むテクニック

マインドセットに関する話だけでなく、速く読むための著者推奨テクニックも述べられています。そのテクニックは大きく4つ。

  1. はじめと目次をよく読む
    はじめにと目次は本の全体感や流れを掴む上で重要。ここはしっかり読む。
  2. 最初と最後の5行だけ読む(本の構造を理解して、章・節・項などの単位で)
    ビジネス書や自己啓発系の本は最初と最後を読めば間に内容を理解できる構成になっていることが多い。間には主張を補足する事例やデータについてなどが書かれていることが多いため。
  3. キーワードを決めて読む
    自分がこの本を読んでなにを得たいかを整理し、それが得られるキーワードをいくつか決め、それを探しながら読むことで重要なところと流せば良いところの見分けがつきやすくなる。
  4. 2つ以上の読書リズムで読む(高速、中速、ゆっくり)
    一定のリズムで読むと単調になりすぎて、だらだら読みになってしまうため、自分の中でいくつか読書のリズムを決め、1冊を読む中でも緩急をつけて読み進めるのが良い。

本の選び方

読書のスピードを上げるためには本の選び方も重要です。ここまでこの記事を読んでいただいた方はわかると思いますが、この本で書かれている方法はビジネス書や自己啓発書がターゲットで、小説などには向きません。小説は1行1行物語が進行して、登場人物の気持ちや感情の変化、本の中に現れる情景の変化やストーリーそのものを楽しむために読むのであって、効率よく何かを得るために読むものではない(=速く読めない本)からです。ビジネス書や自己啓発書は効率よく何かを得るための本(=速く読める本)です。

速く読める本9割、速く読めない本1割くらいの割合で選定するのが良いと著者は言っていますが、これは自分が読書に求めるもの次第で変えていけば良いと思います。

自分の好きな本だけでなく、他人から勧められた本なども織り交ぜると偏りがなくなり、マンネリの解消にもなるので良いようです。

まとめ

「遅読家のための読書術」は今までにない、読書に対するマインドセットを変えることで本を読むスピードを上げる読書術本です。この本自体もとても読みやすく、すぐ読めてしまいます。早速自分も価値のある1行と思ったところをいくつか書き留め、そこを中心にこの記事をまとめてみました。読書に対する考え方を改めてより効率の良い、楽で楽しい読書にしてみてはいかがでしょうか。

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