映画ボヘミアンラプソディを観た。

REVIEW

説明不要の伝説のバンド、Queen。
日本でもその名は広く知られており、彼らの活躍した70、80年代から30年以上たった今でも様々なシーンで彼らの楽曲を聞くことがある。

そんな彼らの自伝的映画がこのボヘミアンラプソディである。
この映画のタイトルであるボヘミアンラプソディとは、75年発表のQueenのの中でも有名なアルバム、「オペラ座の夜」に含まれる楽曲である。この曲故に有名になったのがこのアルバムかも知れない。

ご存知の通り、オペラをフィーチャーした曲で6分間という長さで当時としては異例、ロックとしても異例のスタイルであったようだ。

映画のタイトルにもなっているこの楽曲、作ったのはフレディマーキュリー。Queenのボーカリストである。
この映画はQueenの映画であることは間違いがないが、そのほとんどはこのフレディにフォーカスをあてた映画となっている。

彼がQueenのメンバーと出逢うシーンから、仲間と切磋琢磨しながら楽曲を作り上げ、それが世に認められ、どんどん有名になっていく、Queenを創り上げていく姿が描かれている。
もちろんこの映画はそれのみを描いた単純なサクセスストーリー映画では無い。
順風満帆に見える彼の人生であるが、有名になった後、少しずつ彼の人生がネガティブな方向に進んでいく。
彼はセルフィッシュになっていき、仲間とギクシャクし始め、ついにはQueenの活動を休止し、ソロ活動を始める。

一人の人生としては成功に見えないでもない、彼の人生。
ここから彼は何を思い、どうやってQueenという彼の故郷に戻ったのか。
そこに至るまでの彼の苦悩と決断。

それがこの映画の中心である。

この映画では彼のアイデンティティを垣間見ることもできた。にわかファンである自分にとっては彼に女性の恋人がいたことは知らなかったし、彼の出身がアジアだということも知らなかった。

だが、彼のアイデンティティについてはもう少しだけ踏み込んで欲しかったというのが正直なところである。特に彼の音楽的なバックグランドについては描写がほぼ無く、彼が幼少期にどう音楽に興味を持ったのか、どんな楽器を触ってきたのか、数々の名曲を生み出すに至るまでどのような音楽環境に身を置いていたのかなどもっと知りたい部分が出てきてしまった。

魂に響くラスト21分ー。
僕たちは永遠になる。

気になるキャッチコピーである。熱烈なファンにとってはあれね、で済む話であろう。にわかファンであった自分はそういうことかという21分。
フレディの生き様を表す、彼のパフォーマーとしての信念を表す、そんな21分。これがエンターテイメントかと黙って見入ってしまう21分であった。

この映画を見た後はQueenの楽曲をとにかく聴きたくなる。
人生に悩んだ時に見ても良い一本かも知れない。

★★★★☆
とてもよい映画。彼のアイデンティティにもう一歩踏み込んで欲しかったと言うことで星4つ。

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